狼と香辛料〈9〉対立の町(下) (電撃文庫) 支倉 凍砂 文倉 十 アスキーメディアワークス 2008-09-10 売り上げランキング : 46653 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools

エーブとの因縁に一応の決着を迎えた前巻から、南北の対立の続くケルーベの町の不穏な動きに決定的な転機が訪れる。

町の力関係をひっくり返すほどの価値を持つ伝説の海獣イッカクが陸揚げされたことにより、権力者同士の駆け引きや、そこから利益を得ようと画策する商人達や各商会の根回しが活発化する。

そんな中でロレンスは、エーブから商会を抜けて自分たちと手を組むように提案され、一方で所属するローエン商会からも協力要請の手紙が届く。

町の中の駆け引きで大きな力を持つ二つの勢力に板挟みにされ、思いがけず町で最も重要な人物の一人となってしまったロレンスは、ついに決断を迫られる…。


シリーズ初の上下巻構成となった『対立の町』編がついに終結しました。

本シリーズの醍醐味の一つである商取引の表裏で繰り広げられる緊迫した駆け引きが見所で、まさに手に汗握る展開となりました。

緊張感の途切れぬ流れから一気に事態の打開へとつながる緩急の効いた運び方も絶妙です。

ホロとの旅の道筋を示す『狼の骨』の新たな情報ももたらされ、毎度のことながら次巻への期待も持たせてくれます。

オススメ度：★★★★★(5/5)

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