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日々読んだ書籍の感想を淡々と書き残していくブログです。
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キノの旅〈2〉the Beautiful World (電撃文庫) キノの旅〈2〉the Beautiful World (電撃文庫)
時雨沢 恵一 黒星 紅白

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第一話「人を食った話」
雪の積もる森の中をエルメスに乗って進んでいたキノは、トラックで遭難して衰弱し切った男たちに出遭う。事情を聞いて彼らを助けるため、数日間の共同生活をすることに。

第二話「過保護」
夫婦が息子のために『ある物』を買い与えるべきか、否かについて言い争っている。それを与えることが息子のためだと言う妻に、夫はそれを行き過ぎた過保護だと言う。親のエゴによって翻弄される息子の悲哀と、シュールな『ある物』が何とも不思議。僅か数ページの閑話といったところ。

第三話「魔法使いの国」
とある国のとある女性は両親の遺産を使って毎日研究ばかりしていた。彼女が造っていたのは「飛行機械」。それを飛び立たせるための滑走路として、国で唯一の大通りを使用したいと直訴するが、国長やその取り巻きには一蹴されてしまう。偶然訪れたキノは彼女を手助けすることになり…

第四話「自由報道の国」
旅人が国内で発砲した事件を、その国の別々の新聞が正反対の報道をしていた。現実世界のメディアを風刺したような、一風変わった内容。

第五話「絵の話」
数年前に終結した内戦のトラウマを今も残す国があった。その国では至る所に同じ画家による絵が掲げられ、それは反戦のメッセージを込められた作品として高く評価されていた。キノは国を去る際に偶然その画家に出会い、絵に関する話を聞くことが出来たが…

第六話「帰郷」
至って平凡な国があった。そこでの平和でのんびりとした、けれど退屈な生活に嫌気が差した一人の男が、一五の時に国を飛び出してしまう。各地でいろいろな国を回り、刺激的な冒険を夢見ていたが、現実には辛く面白みもない、単なる放浪の旅だった。やがて祖国での退屈な生活の大切さを見に染みて知った男は、五年ぶりの帰郷を決める。

第七話「本の国」
たくさんの本が溢れ、全ての国民が毎日飽きることなく読書に励む国があった。旅の途上で立ち寄ったキノも滞在中は本の虫となって読書に浸る。ところがこの国では本は読むものであって、書くものではなかった。人々はあらゆる本に点数をつけ、独自の批評を繰り返している。この国で生まれながら自ら本を書きたいと思い立った者は、どこか別の国を求めて旅をしなければならなかった。

第八話「優しい国」
キノは各地で悪い噂ばかりを聞く国へ向かっていた。その国では旅人を邪険にし、存外な扱いをするという。物好きにもあえて訪れたキノは、国民から思いもよらぬ大歓迎を受け、様々な形でもてなされた。噂が間違っていたのか、それとも別の国へ来てしまったのか。不思議に思いつつも素晴らしい思い出を残したキノは三日目に出国し、その夜は国を見下ろす尾根で野宿することになった。何かを感じて寝袋の中で目を覚ましたキノの目の前で、思いがけぬ出来事が起こった。


型破りなあとがきで、少し意表を突かれました。この作者はユーモアに満ちたあとがきに定評があります。

ちなみに、巻頭に口絵と共に描かれる「狙撃兵の話」では『師匠』の若かりし頃の姿をほんの少し見ることが出来ます。

また、第五話「絵の話」は、簡単な後日談が巻の最後の方に載っています。

オススメ度:★★★★☆(4/5)




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