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日々読んだ書籍の感想を淡々と書き残していくブログです。
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「日中友好」は日本を滅ぼす! 歴史が教える「脱・中国」の法則 「日中友好」は日本を滅ぼす! 歴史が教える「脱・中国」の法則

講談社 2005-07-21
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強烈なタイトルに引かれて買ってみたのですが、予想以上に筋の通った明解な論拠が示され、日中間の関係を鋭く分析しています。

歴史上の出来事を一つ一つ紐解き、日本が中国と友好的な関係にあった場合と、そうでない場合に分け、前者では必ず日本が「乱世」にあたり、後者では「治世」にあたる・・・という分析がとても新鮮でした。

ただし、その分析の内容が必ずしも腑に落ちるものかと問われると、やや強引な結びつけと感じるところもありました。

上述の「歴史分析」が前編であり、さらに中編に「現代の中国の政治経済の分析」、最後に前中編を踏まえた「今後の日本と中国の関係のあるべき方向性の提案」が続いています。

本書は2005年に初版が発行されたのですが、中国の経済を2006~2010年のスパンで予測した分析はとても面白かったです。今のところ現実にはややズレた方向を辿っているとはいえ、上海万博開催を節目として、一波乱ありそうな現状を見るにつけ、正鵠を射たものであったと思います。

最後に記された「提案」は本当に日本のことを考えるならば、これしかない、という意見でした。すなわち中国とは一定の距離を取りつつ、日本は狭い地域に固執せず、「世界の日本」として上手な位置取りをしていくというもの。

作者の石平(シー・ピン/セキ・ヘイ)は中国の方なのに、どうしてこんなにも日本の歴史や現状を理解し、また日本のことをここまで考えてくれるのだろう・・・と不思議に思ったのですが、調べてみると2007年末には日本に帰化しており、今では立派な日本人の一人でした。

今後もこの作者の別の書籍を読んでレビューを書きたいと思います。

オススメ度:★★★★☆(4/5)
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