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日々読んだ書籍の感想を淡々と書き残していくブログです。
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河童が覗いたヨーロッパ (新潮文庫) 河童が覗いたヨーロッパ (新潮文庫)

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学校の国語の教科書にも載っている有名な「少年H」の作者、妹尾河童の作品です。

芸術家派遣研修のために一年間の期間でヨーロッパを廻った中で、各地における様々な出会いや発見を書き記しています。

特徴的なのは全編を通して活字が存在せず、全てが作者の手書きの文字とイラストでページが埋まっている事です。最初は戸惑いもあって読みにくいとも感じたのですが、慣れてくると手書きの温かみを通して生々しい情景を思い浮かべながら、親しみを持って読むことが出来ました。

元々「芸術家」として絵画から看板製作、舞台美術、果ては映像デザインまで手がける方だけあって、彼の描くイラストは繊細でシンプルでありながらも非常に見やすく、特徴や要点を抑えています。また、前述のように看板製作の仕事もしていた事が関係しているのか、統一された大きさの読みやすい文字で書かれているので、ストレスなく読めます。

肝心の内容としてはヨーロッパ各国の風土や文化を細部まで捉え、作者自身が気付いた小さな発見まで余さず書かれているため、大変興味をそそられました。

ただしヨーロッパ旅行などの参考になるかというと、すでに20年以上前の情報であるため望みは薄いです。特に通貨価値や物価の変動は旅行をする上で重要ですし、この本で紹介されている宿や観光名所も、今では無くなっていたり、姿を変えているものもあります。

オススメ度:★★★★★(5/5)
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