忍者ブログ
日々読んだ書籍の感想を淡々と書き残していくブログです。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

角川グループパブリッシング 2008-12-25
売り上げランキング : 190
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

本作は第20回山本周五郎賞受賞作である他、2007年本屋大賞でも第2位となっています。

独特なクセのある文章によって描かれる雰囲気が広がり、とても不思議な感覚のうちに最後まで読んでしまいました。

二人の主人公「先輩」と「黒髪の乙女」が交互に語り役となり、一人称視点で合計4つの短編連作を紡いでいきます。

どれも大変面白いのですが、なんといっても個性豊かで魅力的な登場人物たちが目玉です。

これほどにも多彩な個性たちが集い一つの物語に登場しているにも関わらず、どれも色褪せることなく存在感を示しており、全体のまとまり具合に驚くほどです。

僕が特に気に入った人物は主人公の一人、「黒髪の乙女」。これでもかというほどに純粋で天然な性格なのですが、どうにも掴みようのない不思議な魅力があります。

一種の放心状態のような、とても特殊な読後感を味わえる本作は個人的には大変気に入っているのですが、その独特な文章により万人受けはしないと思います。合う人ならば終始楽しめますが、合わない人にはどんなに読み進めても一向に物語に入り込めないでしょう。

ただし森見登美彦の他作品に触れ楽しめた人ならば、読んでみて後悔することはないはずです。

オススメ度: ★★★★☆(4/5)

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
E-Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
忍者ブログ [PR]