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日々読んだ書籍の感想を淡々と書き残していくブログです。
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となり町戦争 (集英社文庫) となり町戦争 (集英社文庫)

集英社 2006-12
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公共事業の一つとしてとなり町との「戦争」が一般化した日本が舞台の、架空の物語。

非現実的な世界観の中で描かれているにも関わらず、自分たちの日常に妙にリンクした印象を受けます。

戦争という過激なテーマを主題に据えていますが、作中に血生臭い殺し合いの描写などはほとんどなく、不思議な静けさを終始漂わせた物語となっています。

社会という大きな存在に対して主人公は無力であり、理不尽な制度や決まりに抗うことのできないその様は、現実世界でも多くの人が感じる空虚な感覚を思い起こさせます。

読後感としては割とすっきりしました。いくつかの謎にひっかかる部分もありましたが、もやもやと胸に残る嫌なものではありません。

小説すばる新人賞受賞した本作は、期待を裏切らない奥深さを持ちつつも、それゆえに人を選ぶ内容になっています。

オススメ度:★★★☆☆(3/5)
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