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日々読んだ書籍の感想を淡々と書き残していくブログです。
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大地の子〈1〉 (文春文庫) 大地の子〈1〉 (文春文庫)

文藝春秋 1994-01
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第二次大戦の終戦後、中国大陸には多くの日本人が残された。
ある者はソ連の侵攻で殺されたり、シベリアに送られ強制労働を課され、またある者は中国社会の中で差別され、無事に日本に帰りつくことが出来なかった場合もあった…。

―そしてそんな混乱の渦に残された人々の中には、当然ながら子供たちも大勢いました。

この作品は、そんな子供たちの中の一人、松本勝男の波乱の半生を描いた史実の物語です。

勝男は、彼を人買いの手から救ってくれた中国人・陸徳志により、新たに陸一心という名を授かります。実の親子以上の深い愛情によって一心を立派に育て上げた陸徳志の姿は、人として尊敬の念を抱かずにはいられません。

そしてそんな義父と、奇跡的な再会を果たした実父・松本耕次との間で激しく揺れる一心の気持ちの描写は物語の集大成とも言える、深いメッセージ性を秘めています。

最初に出版されたハードカバーで3冊、文庫版でも4冊にも及ぶ巨編ですが、作者の山崎豊子氏の秀逸な文章が読者を飽きさせることなく物語の世界に引き込みます。史実小説が好きな方にとっては、これくらいの量なら難なく読めるでしょう。

まだ読んだことのない方はもちろんのこと、特に10代の若い人達にも是非読んでもらいたい作品です。

オススメ度:★★★★★(5/5)
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