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ホロの故郷の情報を探すために立ち寄った異教徒の町クメルスンでの一悶着を何とか切り抜け、さらに北へと目指すロレンスたち。

その途上で通りがかった田舎の村テレオには、異教の神々の昔話に詳しいと言われる変わり者の修道士の居場所を知る司祭がいるらしい。情報を得たいロレンスたちは、村の教会を訪れますが、そこで待ち受けていたのは無愛想な少女エルサでした。

そんな中、テレオの村は教会と異教の間で揺れる微妙な場所であったこともあり、教会の権威にまつわる複雑な関係によって、村の存続すらも危ぶまれる事態となってしまいます。タイミング悪く余所者として村に滞在していたロレンスたちは、この状況に巻き込まれていきます。

3巻までは比較的ロレンスの活躍が目立つお話が続いていましたが、この巻ではホロの存在の大きさが際立って重要になってきます。

いつもながら秀逸な文章力に引き込まれつつ、長い旅路を描きながら全くマンネリ化せずに新たな展開や伏線が生まれていく様にワクワクさせられます。

ところで、この作者の良いところは無意味に謎を残して「あとは読者の想像にお任せします」的な設定の丸投げをしないところだと思います。残念ながらライトノベルというジャンルにはそういった類の作品が多く、作者の能力不足を「それはそれで作品の演出」かのように開き直る展開や終結の仕方が散見されるのですが、このシリーズに関してはそういったものが見られず、よく練りこまれた設定と、それを丁寧かつ簡潔に読者に伝えるまとまった文章によって、完成度の高い作品になっています。

話がやや逸れましたが、この巻も満足できる内容だったので星は5つにしました。

オススメ度:★★★★★(5/5)

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