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付喪堂骨董店〈2〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫) 付喪堂骨董店〈2〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)
御堂 彰彦 タケシマ サトシ

メディアワークス 2007-06
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様々な不思議な力を持つ『アンティーク』たちの魅力が描かれた付喪堂骨董店シリーズの第二巻です。

第一章『静寂』
作曲家の男性が求めるのは「完全なる静寂」だった。仕事を邪魔されず、自らの作品に集中出来る空間を欲していた。そんな折に偶然にも付喪堂骨董店の存在を 知った男性は、映った世界の音を消し去るアンティーク『明鏡』の購入を申し出たが、アンティークは人を不幸にすると考えている都和子は、頑なに売ることを 拒み、押し問答となる。一度は帰った男性は、刻也を騙すことで陥れ、その代償として明鏡を譲り受けることに成功した。彼は長く渇望していた静寂の世界を手 に入れ、万事上手くいくかに見えたが…

第二章「自分」
自分がもう一人いたら?辛いことは全部もう一人の自分にやってもらい、本当の自分は楽しいことだけを引き受ける。アンティーク『マスカレード』を使う誘い に乗った岸谷は、そんな理想を手に入れることが出来たはずだった。しかしもう一度全てを自分一人でやってみると、何もかもが上手くいかなくなっていた。

第三章「死目」
他人の死を見ることの快感に狂ってしまった女性は、偶然出会った刻也が持つ義眼に興味を持つ。それは関わった他人の未来の死が見えるアンティーク『ヴィ ジョン』だった。アンティークの存在を知らない彼女だったが、その義眼の特殊性に気付き、刻也の眼窩からそれを奪おうとする。

第四章「化粧」
とある雑誌の影響をモロに受けた咲は、刻也に褒められるために自らの姿をよく見せる努力に明け暮れる。もともと世間からややズレていた咲は、最終的にはとんでもない姿に変貌してしまう。



もともとアンティークという「不思議な力」と、それに頼りすぎた人間の「不幸」の相関を、寓話のようなオチでまとめるテーマなので、全体的に暗い話(バッドエンド)が多いです。この点は大きく好みを分けるかと思います。

一服の清涼剤のような形で最後に載せられた「化粧」という話は、このシリーズの醍醐味の一つである刻也と咲の煮え切らない思春期の恋模様を描いており、ついついニヤついてしまいます。公の場では読めませんね。

オススメ度:★★★★☆(4/5)


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