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日々読んだ書籍の感想を淡々と書き残していくブログです。
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キノの旅〈11〉the Beautiful World (電撃文庫) キノの旅〈11〉the Beautiful World (電撃文庫)
時雨沢 恵一 黒星 紅白

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口絵「子供の国」、「お花畑の国」

口絵プロローグ「カメラの国・b」

第一話「つながっている国」
キノが立ち寄った国は、すでに住民が退去した無人の土地だった。清掃を行う自動機械により廃墟にしては整った姿のまま残るその国の地下には、ある理由によ り隔離されている男性がいた。彼に招かれたキノは地上の様子を伝えるが、彼は地下の部屋から出ようとはせず、キノの話も信じない。その理由は、彼が地上の 人々と「つながっているから」。

第二話「失望の国」
旅人をもてなすために必死に身を削る人々の話。何となく日本と重なって見えます。

第三話「アジン(略)の国」
冒頭の「国名」に度肝を抜かれました。この作者は見開きのページを使った表現を比較的高い頻度で行います。かつて人口が増えすぎてしまい全員が生きるため の食料を得ることが出来なくなったその国では、「口減らし」を行った過去がある。彼らは同時に国名を変えたのだが、それには大切な意味があった。

第四話「国境のない国」
人と人との間に境界を作ることで争いが生まれると信じるその国では、自分の土地を持つことを禁じ、全ての人が平等に土地を分配されていた。しかしその国の情景はかなり異様なものだった。

第五話「学校の国」
キノがまだ師匠と暮らしていた頃、師匠の家のある森の近くには国土の広い国があった。キノは師匠の紹介でその国の「学校」に短期間通うことになり、そこで 「あるもの」の作り方を習っていた。キノは他の子供達と共に課程を修了して卒業するが、数日後に再び訪れた場所に学校は無くなっていた。そしてその数日の 内に起こった「事件」を聞かされたキノの目の前には、警察に拘束された先生の姿があり…。

第六話「道の話」
大きな目的のために、生まれてから死ぬまで世界中に道を造り続ける人々の話。

第七話「戦う人達の話」
キノを用心棒として雇った旅の一行は、実はとある目的のために逃避行を続けている最中だった。彼らを追う別のグループとの戦いに巻き込まれながらも、何とかこれを撃退するキノ。最後にはシリーズにお馴染みにどんでん返しが待っている。

エピローグ「カメラの国・a」


第一話はまさに「ひきこもり」を揶揄していますね。ネットを通じて社会との連帯感を擬似的に得る事で、社会参加をしていると錯覚してしまう…。

第三話は個人的に最も好きになりました。悲しい展開や陰鬱な現実に一縷の希望を与えるような終わり方は、このシリーズでは珍しいです。

第七話は対照的に、「いつものような」急展開が待っていました。

オススメ度:★★★★★(5/5)


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